2017.01.31 コーポレート

~「SHIBUYA109」の運営専業新会社を設立~

東京急行電鉄株式会社(以下、東急電鉄)は、100%子会社である株式会社東急モールズデベロップメント(以下、TMD)のSHIBUYA109事業(以下、109事業)について、最先端の流行発信や文化創造を続けるブランド力の強化を目的に、2017年4月3日(月)、会社分割により109事業に特化した株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(以下、109エンタテイメント)を設立します。

SHIBUYA109は、1990年代後半から、他にはない個性的なブランドをいち早く誘致することで、「マルキュー系」といわれるファッショントレンドを創り出し、カリスマ店員ブームや若者起点のムーブメント・カルチャーを創造してきました。しかしながら、近年はSNSなどの普及による若者のライフスタイルやマインドの急激な変化に加え、オーバーストア、インバウンドの増加など事業環境が激変しており、それらに迅速に対応していくとともに、時代をリードするための新たな挑戦が必要なステージに立っています。

今般、109エンタテイメントの設立により、時代の先端を担う「新しい世代」(アラウンド20の若者)の生態や動向を素早くとらえ、機動的に対応できる効率的な組織体制を構築するとともに、以下の5つの機能を強化し、コンテンツ創造の拡充に取り組みます。
 
 
(1)インキュベーション機能
発信力のある個人やスタートアップ企業を発掘し、夢や願望の実現をサポート
(2)イベントプロデュース機能
これまで培ったノウハウを生かし、各種イベントやフェスを外部企業と共催
(3)マーケティング・コンサルティング機能
「新しい世代」の流行やニーズを取り込む仕組みを作り、各種マーケティングソリューションを開発
(4)メディア機能
映像メディアとの協業で、渋谷から新たなムーブメント・カルチャーを発信
(5)小売機能
SHIBUYA109ブランドを活用したオリジナル商品などを開発・販売
 
 
 
また、各機能や各種エンタテイメントに精通し、109事業・ブランドに理解・共感する人材の採用や、他社とのアライアンスを積極的に推進し、新たな流行や文化が継続的に生まれる仕組みを整備することで、これからの時代を担う「新しい世代」の夢や希望を実現していきます。

現在、東急電鉄は中期3か年経営計画において、「エンタテイメントシティ SHIBUYA」の実現に向け、世界が注目するコンテンツの創造と、それを発信するメディア・場の拡充を推進しています。今回の109事業の変革により、渋谷のシンボルであるSHIBUYA109の情報発信力・文化創造力を一層強化し、「エンタテイメントシティ SHIBUYA」の実現の一翼を担います。
 
 
【別紙】
1.会社分割の要旨
 
(1) 分割の日程(予定) 
2017年4月3日(月)

(2) 分割方式 
TMDを分割会社とし、109エンタテイメントを承継会社とする分割型新設分割

(3) 株式の割当 
109エンタテイメントが発行する全株式は、TMDに割当交付します。なお、TMDはこれと同時に、割当交付された全株式を、東急電鉄へ交付します。
 
 

 
 
2.会社概要
 
■ 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(予定)
商 号 : 株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
事業内 容 : 109事業および関連する事業
資 本 金 : 326百万円
株 主 : 東京急行電鉄株式会社100%
設立年月日 : 2017年4月3日(月)
代表取締役 : 木村 知郎
本社所在地 : 東京都渋谷区道玄坂一丁目10番7号
店 舗 数 : 6店舗(SHIBUYA109、109MEN’S、SHIBUYA109ABENO、SHIBUYA109KAGOSHIMA、109MEN’S天神コア、109MEN’S 4丁目プラザ)
テナント売 上 高 : 262億円(2015年度)
子 会 社 : 東急商業發展(香港)有限公司 
 
 
3.コンテンツ創造のための強化機能
 

 
 
 
4.SHIBUYA109の歴史
 
施設名称:ファッションコミュニティ109
※1989年に現在のSHIBUYA109に名称変更
開 業:1979年
構 造:地上8階、地下2階
店舗面積:10,220㎡
婦人服、紳士服、呉服や雑貨、宝飾品、スポーツ用品などの業種に加え、上層階2フロアと最下層階にレストランを配置した、当時としては新しい店舗構成で開業。渋谷の街にシンボルを創りたいという思いから、特徴的な意匠のシリンダー型のビルとなる。開業当時の渋谷は、1973年に渋谷パルコが開業して以降、多くの若者が集まるようになり、若者カルチャーをけん引するレコード店や文化施設が多数誕生し、東京を代表する流行の発信地となっていた。1980年代からは、センター街エリアを中心に、「チーマー族」など独自の若者文化が形成され、1990年代には、渋谷発のポップミュージックが「渋谷系」と呼ばれ、一大ブームになる。
 
 
1990年代になると、小売業界でもバブル崩壊の影響を強く受け、SHIBUYA109も苦戦を強いられる。テナントやフロア構成を再考する中、若者をメインターゲットにしたリーズナブルな価格帯のファッションブランドを集積したフロアが好調だったことを受け、1995年には女子高生にターゲットを絞り、約6年をかけてフロアごとに改装を行った。
この頃から、人気テナントの店員が「カリスマ店員」と呼ばれ、流行語にもなるとともに、若者への絶大な影響力を持ち、「ギャル文化の集積地」「流行の発信基地」と称された。2004年からは、新たなブランドを育成する目的で、公募によりテナントを募集。出店に関連する費用の一部を負担するなど、育成に重点を置いた結果、中核を担うブランドに育つテナントが出始める。加えて、フロア改装の効果や「カリスマ店員」による流行発信などにより、徐々に売上が回復し、2008年には最高益となる280億円を記録する。その後、テナント入れ替えを継続的に行い、施設の鮮度維持
に努めた。2009年には、入館者数が過去最大の年間約900万人を記録したものの、その後、ファストファッションの台頭やリーマンショック、東日本大震災などの影響を受けた。2011年にはSHIBUYA109が持つ世界観をコンパクトに表現した「SHIBUYA109パッケージ」の展開を開始し、あべのキューズモールやアミュプラザ鹿児島などに出店。2015年には香港に海外出店を果たすなど、現在もさまざまな取り組みを進めている。
 
 
 
5.東急電鉄・中期3か年経営計画 重点施策
 
■「沿線開発と不動産事業の更なる推進」
渋谷では、ハード面のみならず、ソフト面での開発も積極的にします。文化創造の街 渋谷がもともと持っている特徴を生かし、ICT&クリエイティブコンテンツ産業のさらなる集積や世界が注目するコンテンツ創造と、それを発信するメディア・場の拡充などの取り組みを進め、「エンタテイメントシティ SHIBUYA」を具現化し、ハード、ソフトの両面から、世界中から注目を集める「アーバンテーマパーク」として「日本一訪れたい街渋谷」を実現していきます。


 
 
 

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